朝スキャ(朝スキャルピング)に明確な定義はありませんが、おおよそ日本時間AM3:00~PM3:00頃の、比較的値動きの小さい時間帯でスキャルピングするトレードを言います。
朝スキャEAは時間限定型ですので、バックテストを行う際はヒストリカルデータの配信時間の信頼性が重要です。
例えば、ヒストリカルデータ提供業者が「GMT+3サマータイム無し」のデータだと言っても、もし一部にサマータイム有りのデータが混在していたら、まともな朝スキャEAの評価が出来るはずもありません。
そこで、現在入手可能な1分足ヒストリカルデータについて、週明けと週末の配信開始・配信終了時間を調べてみました。
1週間の配信開始・終了時間から、GMTオフセットやサマータイム有無を推測することが出来ます。
FXDD
FXDDのヒストリカルデータについては、「GMT+3サマータイム無し」という話や「GMT+2サマータイム有り」という話など諸説飛び交っていますが、週明け配信開始時間を見る限りは「GMT+2サマータイム有り」のようです。
(※注)レートまで精査しないと白黒は付けられません。
ただ気になるのは、2013/11/4~2014/3/3の間だけはGMT+3(夏時間シフト)のまま配信されているように見えるのと、直近1年の週末配信終了時間が異様に早くなっていることです。
楽天証券(FXCM)
TS口座(旧スタンダード口座)のヒストリカルデータになります。
基本的にGMT+0サマータイム無しのはずですが、運営会社が度々変わっている影響なのか、所々にバミューダ諸島かと思わせるような時間が見られます…
なお、僕はForex Studio Datacenterでヒストリカルデータを取得しているのですが、Forex Studioは開発中止になっており、現在はダウンロード出来ないようです。
Dukascopy
ヒストリカルデータはTickstory Liteで取得しています。
GMT+0サマータイム無しのデータですが、時間ズレは無く歯抜けも少なくて好印象です。
Alpari
スイスフランショックの影響でAlpariジャパンはDukascopyに変わりましたが、存続しているAlpariグループの海外業者のデモ口座を開設することで、Alpariのヒストリカルデータを入手可能です。(→
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GMT+2サマータイム有りのデータですので、MT4上で日足・4時間足とも正確に表示できます。
Alpariは15年以上の長期データを取得できるので重宝していますが、一方でMT4ヒストリーセンターのダウンロード機能では、直近分のデータを取得できずに不整合を生じやすい問題もあります。(2015/11/8週の欠損など)
細かい所では、2015/4/20から週明け・週末の配信時間が5分ほど変更になったようです。
Forexite
ForexiteはGMT+1サマータイム有りです。
なお、ForexiteからヒストリカルデータをダウンロードするVBスクリプトを、過去に記事で紹介しています。(→関連記事
1、
2)
MT4にインポートする際に、表示移動で時間を1時間シフトさせれば、GMT+2サマータイム有りにすることが出来ます。
ただ、Forexiteは時間については問題ないのですが、レートが2桁/4桁の業者であり、他社に比べレートの精度が低いとも言われています。
以上(MetaQuotesのヒストリカルデータは割愛)、朝スキャEAの評価に使用するヒストリカルデータは、DukascopyかAlpariから入手するのが良いと思います。
FXDDや楽天(FXCM)のヒストリカルデータは、所々見られる時間ズレを補正しないまま、朝スキャEAの評価に使うのは危険です。
Forexiteのヒストリカルデータについてはレート精度が低いため、朝スキャのようなスキャルピングEAの評価には向きません。
なお余談ですが、損小利大かつ中長期のスイングトレードであれば、1トレード当りの時間幅・利幅に比べ、ヒストリカルデータの時間ズレもレート精度も相対的に小さいため、バックテストへの影響はあまり見られません。
今回集計した結果は、下記リンクから参照可能です。(Excel Online)
各社ヒストリカルデータ_週明け_週末_配信時間調査_20151121.xlsx
テーマ : FX(外国為替証拠金取引)
ジャンル : 株式・投資・マネー