【マイナス金利の弊害】銀行口座の金利は表面上マイナスにならなくても、実質ではマイナスに転落する可能性大！

日銀は「個人向けの預金金利がマイナスになることは無い」という見解を出していますが、大嘘です。
表面上はマイナスにならなくても、実質的にはマイナス金利に転落する可能性大です。
以下、参考となる記事を見ながら検証してみます。
　
まず、日銀を除く銀行の場合、預金口座にマイナス金利を課すことは、確かに困難らしいです。
ただ、手数料名目で徴収は可能だとも・・・
下記の記事を参照して下さい。
　
（参考記事）ZUU online
マイナス金利で「銀行預金から金利分が差し引かれる」のか？
　
証券会社の口座預り金などで運用されているMRFは、今のところマイナス金利からは逃れられそうですが、銀行口座の他に運用先が無くて困っているとも解釈できます。
　
（参考記事）Yahoo!Japan ニュース
なぜMRFがマイナス金利適用外となったのか
　
実際、行き先を失ったお金が集まってきた銀行は大変みたいです。
　
（参考記事）NHK ONLINE
マイナス金利 金融機関の負担１か月で約１８億円
　
先ほどのYahoo!Japanの記事と合わせると、銀行の中でも信託銀行では、1ヶ月で7～8億円もの負担があったということになります。
お金を預かれば預かるほど負担が膨らむという、理不尽さ・・・
　
それじゃ銀行はどうするか？
マイナス金利をそのまま負担する銀行は少ないと思います。（銀行は営利企業です）
最初のZUU onlineの記事にもありましたが、マイナス金利分を手数料等の名目で顧客に転嫁することになるでしょう。
　
よって、銀行口座の実質的な預金金利（手数料込み）はマイナスに転落する可能性が高いと言えます。
　
実質って・・・携帯会社の販売と同じですよね・・・
今後は「実質金利は○％！」などの比較が流行るのでしょうか？
　

【マイナス金利の弊害】コール市場から消えた18兆円は何処へ向かうのだろうか？

今週は2/16から日銀のマイナス金利が適用され、コール市場の取引残高が大幅に減少したらしい。
　
短資協会のホームページ（→リンク）でコールレートの速報・確報や過去レートが見れるのだが、2/18確報と、1ヶ月前の1/19確報を比べてみると、2/18の取引残高は1ヶ月前の5分の1、額にして約18兆円も減少している。
　
ゼロ～マイナス金利だと貸し手側が損をするので、誰も貸したがらないようだ。
（参考）日本経済新聞
・銀行間取引残高が最少　コール市場16日時点、マイナス金利で
　
しかし貸し出したくないからと言って銀行や信託銀行に預けていると、今度は日銀から-0.1%の利息を徴収されてしまう。
よって日銀に取られるよりはマシということで、コールレートがマイナスになっても貸出す金融機関が出てきた模様。
（参考）NHKオンライン
・短期の金融市場でマイナス金利の取引成立
　
だが最初に述べた通り、未だ約18兆円が行方不明…
株式市場やドル円レートの動向を見る限り、それらの市場に資金が流れてきた気配は無いので、おそらくは銀行等の口座に眠っているのだろう。
　
ただ、いつまでも銀行等に預けていると日銀に利息を取られることになるので、近いうちに動き出すはず…と見ている。
問題は何処に向かうかだが、リスクを伴う株式や海外投資ではなく国内の安全資産(元の鞘)に向かう可能性が高いため、今の円高が解消される見込みは少ない。
　
来週は冒頭の消えた18兆円の巨額マネーが徐々に動き出し、そして為替相場もまた一波乱ありそうだ。
　
　
ちなみに販売停止に追い込まれたMMFに続き、MRFも運用が厳しいので証券会社が金融庁に泣きを入れたらしい…
（参考）ロイター
・金融庁、ＭＲＦの運用柔軟化を容認　日銀のマイナス金利で
　
MRFの元本割れは証券会社が補填するという噂もあるが、まぁ、一時的には補填できても、日銀の砲身がアレなので無駄だと思う…
　

【マイナス金利の弊害②】FX証拠金の信託保全にも悪影響！スプレッドやスワップの条件悪化か？

とりあえず、マイナス金利が証券会社にどのような影響を及ぼすかは、東洋オンラインの次の記事が詳しい。
　
東洋経済オンライン
　・マイナス金利で証券投資が止まってしまう！
　　～ 証券会社から黒田バズーカ礼讃の声が消えた ～
　
さて、国内FX業者の場合、顧客のFX証拠金は金商法等により信託保全が義務付けられ、国内銀行や国内信託銀行に預けられている。
例えばOANDA Japanの場合、次のような説明ページが掲載されている。
　
OANDA Japan
　・顧客資産の保全方法
　
ところで、先ほどの東洋経済オンライン記事の2ページ目に
　

＞ 元本保証の金銭信託（合同運用指定金銭信託）を除くと、信託は実績配当であり、損失を信託銀行が補てんすることは禁じられているため、顧客分別金信託が信託保管しているなかで目減りしていくことすら想定される。

とあるが、これはFX証拠金の信託も同様である。
つまり、マイナス金利の世の中では、FX業者に預けた証拠金が時間の経過とともに徐々に目減りする可能性が高い。
　
さすがに信託保全しているはずのFX証拠金が目減りしたら顧客が逃げ出すので、FX業者としては目減り分を補填するしかない。
それではFX証拠金の目減り分を何処から調達するか？？？
　
もう想像が付くと思うが、スプレッドやスワップなど、顧客に気付かれにくい所からFX証拠金の目減り分を密かに徴収することになるだろう。
なお、口座維持手数料などの目に見える課金は難しいと思われる。
（旧FXCMの失敗は記憶に新しい…）
　
※関連記事
　・【マイナス金利の弊害】MMFが販売中止に追い込まれる
　・今日の東京市場は荒れました
　

今日の東京市場は荒れました

NHKニュースWebより
　
・マイナス金利決定後で初 ＭＭＦ繰り上げ償還
・日経平均株価 終値も９００円以上値下がり
・円相場 一時114円台に値上がり 約１年３か月ぶり
・長期金利 初のマイナスに
　
ドル円はとうとう116円のレジスタンスを下抜けましたね。
黒田日銀バズーカの砲身は崩壊の危機にあります。
　
10年国債がマイナス利回りなのに買い手が付くということは、さらに円高が進むと考える海外投資家が多いのでしょうか？？
　

【マイナス金利の弊害】MMFが販売中止に追い込まれる

ロイター記事　
ＭＭＦや中期国債ファンドの申込停止相次ぐ、日銀マイナス金利で
　
MRFはまだ受け付けているようだけど、MRFまで申込停止に追い込まれたら、証券会社の口座等の預り金の運用先が無くなってしまう。
これは、投資マネーのプール先が失われることに繋がる。
　
さてさて、行き先を失った投資マネーは、何処へ向かうのだろうか？